来月のイギリス料理クラスのテーマは
「ガーデナーのためのランチ」
ガーデナーには、思い出があります。
私が留学中お世話になったホストファミリーのパパは、ガーデニングが大好きだったのです。
ママは、「パパはね、昔はそれは素晴らしいガーデナーだったのよ」と、いつも言っていました。
ガーデニングはとても体力と気力のいる仕事です。
パパも、歳をとるにつれて芝生などの世話が大変になり、温室で一日中ゼラニウムの世話をしていることが多くなったのだそうです。
ハサミを使うのも大変になり、決して完璧とは言い難いゼラニウムの鉢植え達でしたが、それらを愛おしそうに丁寧にお世話するパパ。
ふと目を上げて、温室からリビングの私たちに手を振り、また優しくゼラニウムの葉を撫でるパパ。
食べ残しのベーコンやパン屑を、庭にある鳥の餌台にのせ、まるで自分の子供か孫でも見るかのように優しく見つめるパパ。
パパは、私が出会った初めてのイギリスのガーデナーでした。
頑固で優しいガーデナーでもあり、人前に出るときは必ず鏡の前に立ち、イギリス紳士らしい一面も見せてくれたパパ。
パパが旅立ってからもう何年も経ちます。
ガーデナーという言葉を聞くたびに、イギリス人らしいブラックジョークの大好きだったパパを思い出します。
こんなことを想いながら、来月のレシピを書いている私です。
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